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国産紅茶とは
日本で栽培した茶葉を加工して生み出された紅茶を、国産紅茶(和紅茶)と呼びます。
日本茶も紅茶も、原料は同じチャノキの茶葉です。日本国内でも、昔から海外輸出用に多くの紅茶が作られてきました。
発祥は明治初期で、日本茶・国産紅茶の祖と呼ばれる多田元吉翁が世界の紅茶産地を巡って知識を深め、日本に紅茶の文化を持ち帰りました。国産紅茶は紅茶の輸入自由化が始まる昭和48年まで、日本の輸出業を支える重要な商品でした。
その後はあまり公に姿を見せなくなりましたが、近年では国産茶葉の品質の良さが世界中で有名になり、国内外で徐々に人気を集めています。
国産紅茶の特徴
日本の柔らかく小さな茶葉を使用して作るため、海外製よりもまろやかな味わいが楽しめます。苦味や渋味も少なく、ストレートティーとして飲みやすい種類が多いです。
上質な日本茶を作るには適さない、二番茶・三番茶以降の茶葉を用いて紅茶を作ることで、紅茶の長所である渋味と芳醇な香りをうまく引き出して、日本人好みの味を生み出しています。より日本茶に近い性質を持つため、和菓子にも良く合います。
国産紅茶の種類
国産紅茶は、東海以南の地域で盛んに作られています。
・丸子紅茶
静岡県丸子地方で栽培している紅茶です。国産紅茶の祖・多田元吉翁が茶葉の栽培を始めた場所としても有名で、国産紅茶発祥の地でもあります。
現在は、べにふうき・紅ひかり・本山など厳選した茶葉を使用した上質な紅茶を多数生産しています。ベルギー王室御用達として認定され、海外でも高い評価を得ています。
・豊橋紅茶
愛知県豊橋市で生産している紅茶です。特に昭和初期の頃から生産が始まったごとう製茶は完全無農薬の紅茶として有名になりました。現在では全国の茶品評会で受賞を勝ち取り、安全品質の上等な茶葉として知名度を上げています。
完全無農薬で作る茶葉は数が少なく、貴重な高級茶葉として扱われてます。甘さの中にほのかな渋味がバランス良く、深みのある味わいが特徴です。
・伊勢紅茶
三重県で栽培しているブランド紅茶です。日本茶の伊勢茶でも有名な土地ですが、同じ茶葉は使用せず、紅茶は独自に品種改良して専用の茶園で育てたものを用いて製造しています。
ミルクティーにしても美味しく飲める、強い香りが特徴です。セイロンティーにも近い茶葉として話題を集めています。
・京都紅茶
京都内の限られた茶園で栽培した高品質の茶葉を使用して作る、甘みの強い仕上がりが特徴の紅茶です。べにふうき・やぶきたなどをブレンドした高級茶葉として注目を集めています。
新しい種類の紅茶も意欲的に開発し、既に定着している日本茶と並行して生産を続けています。
・嬉野紅茶
佐賀県嬉野市生産している紅茶です。かつては紅茶の生産を専門に行ってきた地域だけあり、紅茶生産の条件が整った茶園が揃っています。近年は上質な日本茶の生産に力を入れていましたが、再び嬉野紅茶を製造する農家が増えています。
100%嬉野茶葉で作られた紅茶は甘みの強さが特徴で、ストレートティーは砂糖なしでも飲める、より日本茶に近い味わいを楽しめます。
茶葉の味のばらつきを防ぐために、「嬉野紅茶振興協議会」を設立。安定した品質を維持して国内外から評価を得ています。
ティーポットのデザインの選び方のポイント
紅茶を美味しく飲むには、ティーポットの形が大切です。その形は、きっと皆さんもよく目にしたことのある“丸い形をしたティーポット”です。でもどうして丸い形のティーポットが多いのでしょうか。そこには美味しくなる物理的な理由がちゃんとあります。
そこで必ず耳にするジャンピングという言葉、一度は耳にしたことがありませんか?ティーポットの中で茶葉がジャンピングすることによって、紅茶の味、そして香りが一層引き立つんです。ジャンピングとは、茶葉がポットの中でダンスをしているかのように上下に舞いながら動くことをいいます。でも、その効果やジャンピングが起こる方法ご存知でしょうか。美味しい紅茶を飲むために知っておくと役に立つのでここで少しご紹介させていただきます。
高いところから勢いよくお湯を入れて、茶葉をジャンピングさせるということではありませんよ。そのジャンピングを起こさせるにはお湯の温度に関係しています。沸騰した100度のお湯を入れると、茶葉がすぐにポットの底に沈んでしまいます。ですが95度の場合は、ほとんどの茶葉がいったん表面に浮かびます。その後、茶葉がポットの中でぐるぐると回り出します。これが、ジャンピングです。お湯を注いだ時に、茶葉の浮き沈みによって、お湯の温度の目安がわかると思います。なので、初心者の方には中がよく見えて、比較的安く手に入る透明のガラスティーポットがおすすめです。ハーブティーなど色がきれいな紅茶を目で楽しむのもガラスティーポットでしかできないので、そんな楽しみ方もいいですね。
ティーポットのおすすめメーカー
創業1921年と歴史があり、唯一日本に工場を持つ耐熱ガラスメーカー、そして海外にも愛用者がたくさんいる人気のHARIO。品揃えが豊富で、機能性、デザイン性に長けているので、初心者の方でも安心して長く愛用していただけます。
ガラス素材以外のおすすめティーポット
ガラス素材以外のティーポットが気になる方は、保温性の高い陶器、磁器でできたティーポットがおすすめです。釉薬が施してあるものだと、茶渋が落ちやすいので清潔に保てます。特に磁器は表面がツルツルしているので、飲み終わった紅茶の香りが残らず、汚れもきれいに落ちます。陶器は、土でできているので、紅茶の味がまろやかになるといわれています。なので、紅茶の渋みがちょっと苦手な方は飲みやすくなると思います。紅茶はしっかり蒸らすことで、香りが立ち、味わいが深くなるので、蓋がしっかりできるかということも、ティーポットを選ぶ際に合わせてチェックしてみるといいですよ。また、陶磁器でできたティーポットは、色、デザインが豊富なのでインテリアに合わせたり、自分の好みに合った素敵なティーポットを探すことができます。お気に入りのティーポットで飲む紅茶はより一層ティータイムが豊かな時間へと変えてくれます。
最近では、鉄製のティーポットも出てきていますが、鉄製のティーポットは、鉄の成分が溶けてせっかくの紅茶の色が黒ずんでしまったり、風味も損なわれるのであまりおすすめではありません。
ティーポットの選び方を学んでもっと楽しいティータイムを
ちょっとした予備知識があると紅茶を飲む楽しみ方が一段上がり、より贅沢なティータイムが過ごせますね。ぜひあなたに合ったティーポットを見つけてみてください。

