紅茶カップ

意外と知らない!?ソーサー(受け皿)の本来の使い方

喫茶店などで紅茶を頼むと必ずソーサーと一緒に出てきますよね。現在のソーサーの使い方はこぼれた時のための受け皿ですが、中世のヨーロッパではかつてはソーサーに紅茶を移して、香りを楽しみながら紅茶の温度を下げて冷まして飲むというのが本来の使い方でした。

ヨーロッパで紅茶が普及するまで

紅茶が初めてヨーロッパに輸入されたのは17世紀初頭の大航海時代に中国からです。その後、1662年に23歳でポルトガルからチャールズ2世の元に嫁いだキャサリン王妃が、東洋趣味で宮廷に喫茶の風習をもたらし、貴族たちの間で贅沢なたしなみとしてヨーロッパで広がりました。当時のヨーロッパは衛生面があまり良くなく、水を飲むという行為は病気に感染する危険と隣り合わせだったので飲み物はもっぱらアルコール飲料でした。しかし、それではちょっとした会合などでもアルコールを飲むことになり、会議は最終的には酔っ払いの集団になりかねませんでした。それにアルコールの飲みすぎによる健康への悪影響もありました。そこで、貿易で中国から伝わった紅茶という新しい飲み物が注目されました。沸かしたお湯で淹れるので安全性も確かというのも普及した理由でしょう。

茶器の形の移り変わり

紅茶と同様に中国から伝わった茶器は磁器製で、当初はソーサーはなくカップも取っ手のない鉢のような形のものでした。紅茶が輸入された当初は、中国で数千年の昔から不老長寿の薬とされていたという紅茶は、ヨーロッパでも貴重な東洋の秘薬と考えられており高級品だったため、カップは現在のような大きさではなく小さかったそうです。

しかし、17世紀の半ば頃に貴族たちの紅茶を優雅に楽しみたいというニーズの元、受け皿(ソーサー)が付くようになりました。すると、食器がお皿という文化と西洋人には猫舌が多いという理由から、熱い紅茶をソーサーに移し替えて、空気に触れる面積を増やして温度を下げてズルズルと音を立てて飲むというのが当時のお茶の飲み方の正式なマナーになりました。今ではマナー違反とされていますが、この音を立てて飲むというのは当時の正式な礼儀作法であり、茶を出してくれた主人に対する感謝の気持ちを表していたと言われています。

当時のソーサーは現在のソーサーよりも深めに作られており、紅茶を入れやすいスープ皿の様な形をしていました。

その後、鉢型の器では使いづらい事に気づき、18世紀頃に今度は器に取っ手のような指を通して手で持てる部分を取り付けました。こうして、カップとソーサーが揃ったと言われています。

しかし、ソーサーに紅茶を移し入れて飲むという習慣は紅茶文化の嗜みであるという考えが上流階級にあり、20世紀初頭まで続きました。20世紀初頭になって、機械化による大量生産で安く取っ手付きのカップが市場に多く出回るようになったことと、植民地で紅茶が大量生産されるようになり、紅茶は高級品ではなくなり貴族ではない一般の人たちの間にも気安く飲める嗜好品として普及しました。一般の人たちにはソーサーに紅茶を移し入れて飲むという習慣はなく、また一々移し替えるという手間がかかるため、取っ手付きのカップから直接飲むという人が増えて現在の飲み方が主流になりました。(一部の紅茶マニアの人たちは今でもソーサーに移し替えて飲んでいるそうです。)

そして、ソーサーの深さは現在の深さに変わり、カップの収まりをよくするために中央にくぼみが付けられるようになりました。

ソーサーは現在では砂糖やスプーンを置く用として使われています。ソーサーが現在の様な形になった当時は、今とは違って溶けにくい塊だった砂糖を混ぜるためにスプーンが必需品でした。現在はソーサーはその名残です。

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