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ヨーロッパに広がる貴族の紅茶の文化
1610年 オランダ東インド社が中国や日本の平戸で緑茶を買い付けました。それをオランダ・ハーグに運び込みました。その後、10数年後には「東洋の茶」として貴族や裕福な商人の間で大流行しました。たいへん高価な品物として取引されたといいます。ヨーロッパにお茶を伝えたのはオランダ人でした。16世紀半ば以降、東洋に宣教師がやってきました。彼らは中国茶や日本の茶文化を高貴なものとして本国に伝えています。
1630年 オランダからフランスやドイツへと伝わっていきました。イギリスにも同じころに伝わっていると思いますがイギリスで紅茶が販売されるのはもう少したってからです。
1657年 ロンドンにあるコーヒーハウス「ギャラウェイ」で紅茶が薬として売られ始めました。商人や貴族の社交場で薬として販売された紅茶は17世紀半ば過ぎになって飲料とした販売される事となりました。政略結婚でイギリスのチャールズ二世に嫁いだポルトガルのブラガンサ王女キャサリンです。結婚の持参金としてインド・ボンベイの領有権とお茶を用意してきました。健康のためにお茶を用意してきていましたがそれはおしゃれな飲み物として流行ました。王室、貴族、上流階級の間にまたたくまに広がりお茶を飲む習慣が広がりました。また女性がお茶を飲むようになっていきました。
東インド会社とイギリス貴族の紅茶の関係
18世紀 イギリス東インド会社は本格的なお茶の輸入を始めました。おもに緑茶を輸入をしていましたか徐々にボビー茶に変っていきました。料茶よりもコクと渋みのある味が人気となりました。ボヒー茶は武夷山麓で作られた半発酵の青茶ですから完全発酵した紅茶ではありません。イギリス国内でのお茶に対する需要は激増し始めました。その輸入量はわずか60年ほどで200倍近くにも膨れ上がったのです。
1823年 ブルース海軍少佐が中国を祖先とするジュンポー族が茶の木を持ち、茶を飲用していたことを知ったのです。
1840年 アッサム種の紅茶が完成しました。アッサム茶が安い値段でイギリスに輸入されるようになりました。香り深くコクがあって濃厚な味わいのアッサム種ですがその人気は瞬く間に広がりました。タンニンがたくさん含まれている健康茶としても知られていてアフタヌーンティーの習慣化もされて紅茶はイギリスの文化のひとつと定着していきました。
フランスの貴族の紅茶文化とチャイ
1872年 スリランカでの紅茶の栽培がはじまりました。もともとコーヒー豆の農園だったのが、錆病によって苗が全滅、紅茶栽培に切り替えられました。「チャイ」と呼ばれる甘いミルクティーはインドやスリランカで日常的に飲まれている紅茶です。その甘さの強烈さに驚く人もいる事でしょう。小さなカップについでくれますが飲みきれないかもしれません。チャイは香辛料がタップリと入っていて刺激的なカレーを食べた後に飲む事をおススメします。辛い味を緩和させる力がありスッキリ感を感じます。インドの北部では鍋に紅茶の茶葉を入れて煮出し、牛乳や砂糖、ショウガ、スパイスを加えていきます。インドの南部では、布製の袋に茶葉を入れて熱湯をかけて紅茶を作り、温めた牛乳や砂糖、ショウガ、スパイスを入れます。それを頭上高くから別のカップに注ぎ落とします。この作業を何度か繰り返してチャイを作るのです。
紅茶を飲む時に、カフェイン含有量を気にする人が増えています。多く摂りすぎると体に悪いけれど、たくさん飲みたいと思う人におすすめの紅茶が、ノンカフェインやカフェインレス、デカフェと記載された商品です。
どれもカフェインの量を気にすることなく飲める紅茶ですが、それぞれは全く異なる種類で、製法や定義、飲んだ時の体への影響も違ってきます。
ノンカフェイン紅茶とは
ノンカフェインとは、製品に含まれるカフェインの量がゼロの飲み物を指します。最初からカフェインの入った原料を使用していない製品をブレンドして作られたお茶で、麦茶やそば茶などが代表的です。
カフェインレス紅茶とは
カフェインレスとは、カフェインが含まれますが、従来の製品よりも少ない量しか含まれていないお茶を指します。ヨーロッパの基準では、カフェイン含有量が0.1%以下の飲み物について、カフェインレス紅茶と呼ぶように定義づけされています。
デカフェ紅茶とは
デカフェとは、特殊な製法を用いて、原料からカフェインを可能な限り取り除いたお茶を指します。100%カフェインを取り除くことは不可能であるため、含有量的にはカフェインレスとほぼ同等になります。
カフェインの除去方法によって味や風味が変わる
カフェインを除去したデカフェ紅茶は、健康に配慮されていて人気の紅茶です。しかし、カフェインは紅茶を美味しく飲むために欠かせない成分の一つでもあるため、除去すると必然的に、本来の紅茶よりも味や風味が落ちます。
材料となる茶葉からカフェインを取り除く方法は現在、主に三種類存在します。
有機薬剤抽出法
化学物質を利用して反応を起こし、カフェインを抜き取る方法です。安価な薬剤を使用するため世界中で多く行われていますが、カフェインと一緒に別の成分まで抽出してしまい、味や香りの質が落ちやすいです。化学物質の完璧な除去も難しく、茶葉に成分が残ってしまう危険もあり、日本では輸入・製造販売が許可されていません。
水抽出法
一度、原料を水に浸けて成分を取り出し、その成分の中からカフェインだけを取り除いて、再び成分を戻すという方法です。コーヒーで主に用いられる方法でもあります。
超臨界二酸化炭素抽出法
物質に真空状態で一定の温度と圧力をかけることで、気体・液体両方の性質を持つ超臨界流体という成分に変化します。この現象を利用して、原料からカフェインだけを抽出する方法です。抽出した後は気温と圧力を正常に戻すだけでデカフェが完了します。
危険な薬品の使用や、他の成分まで抽出してしまう心配がないため、現在では最も安全で、味や風味を損なわない製法として活躍しています。製法に時間と手間がかかるため、コストは高い傾向にあります。
カフェインレスで紅茶の安全や美味しさにこだわりたい場合には、超臨界二酸化炭素抽出法で製造された紅茶を選ぶのがおすすめです。
販売されている紅茶の表記に注意
近年では、ノンカフェイン飲料の人気に便乗して、ノンカフェイン紅茶と呼ばれる商品も販売されています。
しかし、紅茶製品の中でノンカフェインと記載された製品は定義が曖昧になっていることが多く、注意が必要です。
紅茶の原料となる茶葉には必ずカフェインが含まれていて、成分を抽出したとしても完全にゼロにすることはできません。そのため、原則として紅茶にノンカフェインは「ありえない」と考えておいた方が良いです。完全にカフェインが含まれていないお茶は、一部のハーブティーなど、茶葉が使用されていないものだけで、それは紅茶とは別物です。
実際、「ノンカフェイン」として売られている紅茶のパッケージをよく見ると、すぐ後ろに(カフェインレス)(デカフェ)といった補足の文章が書かれている場合がほとんどです。こういった商品には、少なからずカフェインが含まれているため、完全にカフェインを摂取したくないという人は、注意して購入する必要があります。
また、既定の定義以上にカフェインが含有している場合でも、カフェインレスとして販売しているケースもあるので、心配な人はより信頼のおけるブランドの紅茶の中から選ぶほうが賢明です。
紅茶クリームのふわふわサンドケーキの作り方
型いらず。生地に卵1個、クリームに卵1個。少ない材料とボウルひとつで、ふんわりとした小型ケーキが1台出来上がります。さっくりした軽いビスキュイ生地で紅茶味のカスタードクリームをサンドします。シンプルなのに、ビスキュイ生地のもこもこした膨らみ方が愛嬌あるお菓子。お茶のテーブルが華やかになるような存在感があります。
材料(18cm)
卵黄 1個分
卵白 1個分
グラニュー糖 25g
薄力粉 20g
コーンスターチ 10g
〔紅茶カスタードクリーム〕
卵黄 1個分
グラニュー糖 40g
コーンスターチ 10g
牛乳 200ml
紅茶ティバッグ 小さじ2
作り方
1オーブンを170度に温める。
2ボウルに卵白を入れ、ハンドミキサーで泡立る。泡がたってきたら、グラニュー糖を3回に分け入れながら泡立てる。角がぴんとたったメレンゲにする。
3卵黄を加え、よく混ぜ合わせる。
4薄力粉とコーンスターチを合わせてふるい入れ、ゴムべらでさっくりと混ぜ合わせる。
5天板にオーブンペーパーをしいた上に、生地をのせる。ゴムべらで直径13cmセンチくらいの円形を形作る。表面に粉砂糖をたっぷりと振る。
6 170度のオーブンで約12分焼く。
7紅茶カスタードクリームをつくる。鍋に牛乳と紅茶を入れ弱火にかけ、沸騰直前まで温める。
8ボウルに卵黄を溶き、グラニュー糖を加えて泡だて器で白っぽくなるまですり混ぜる。コーンスターチを加えてよく混ぜ合わせる。
9 8に7の牛乳を注ぎ入れ、よく混ぜ合わせる。茶葉を漉しながら鍋に戻し入れて、弱火にかける。木べらで絶えずかきまぜながら火を通し、とろりとなったら火を止める。バットなどに移し、氷水で冷やす。
10ビスキュイ生地の厚みを半分に切り、10のクリームを塗ってサンドする。
11上に粉砂糖をたっぷりふりかける。
ポイント
生地を天板にのせるときは、上を平らにする必要はありません。生地をこんもりとのせる感じにしたほうが焼き上がりの表情が可愛く仕上がります。クリームと一緒にイチゴやバナナなどをはさめば、ショートケーキ風にすることもできます。
お菓子に合う美味しいミルクティーとは?
ティタイムにお菓子と一緒に楽しむなら、簡単で軽い味のミルクティーが合います。お菓子の味を引き立てつつ、紅茶の味わいもしっかり感じられるようなミルクティーを淹れてみたいですね。ミルクティーにはいろいろなタイプがありますが、軽やかなタイプはカップの中に先にミルクを入れた上から紅茶を注いで作ります。
マイルドなおいしいミルクティーをつくるためのコツ
軽いミルクティーに合う茶葉は、ディンブラ、ウバ、ケニア、またはアールグレイなどのフレーバー系。好みと気分によって選びましょう。そして、ちょっとした議論にもなる「ミルクが先か、紅茶が先か」。正解はミルクが先です。紅茶カップに大さじ2~3杯ほどのミルクを入れた上に、しっかり蒸らして抽出した紅茶を注ぎます。ミルクティーの美味しさの秘訣は、紅茶が牛乳と混ざって生まれたマイルドな味。渋み成分のタンニンとミルクの中のカゼイン成分が混ざり合った美味しさなのです。紅茶を注いだ後からミルクを入れると、ミルクの温度が急に上がって、タンニンと混ざり合う前にカゼイン成分が変質してしまうのだとか。化学的に理解すると、頑張って美味しいミルクティーを淹れてみたくなりますね。
自宅で紅茶パンをつくろうと思うと、うまく膨らまずに固く仕上がりそうでなかなか作ろうという気になれない方も多いかもしれません。しかし、ふんわりとした紅茶パンを失敗なくつくれる方法があります。それは「炊飯器」と「ホットケーキミックス」を使用してつくる方法です。こちらでは炊飯器でつくれる紅茶パンのレシピを二種類ご紹介しますので、是非参考にしてみてくださいね。
基本の紅茶パンレシピ
ではまずはじめにシンプルな基本となる紅茶パンの作り方をみてみましょう。材料もシンプルなので、いつでもお手額につくることができます。朝食時にいただくと朝から優雅気分で一日をスタートさせることができるのでおすすめです。
材料(4人分)
・ホットケーキミックス 200g
・牛乳または水 150ml
・紅茶の葉 大さじ2
・卵 Mサイズ 2個
作り方
1)お鍋に牛乳または水を150ml入れて火にかけ、沸騰したら火を止めて紅茶の茶葉またはティーパックを入れてミルクティーを作ります。少し濃い目につくるのがポイントです。
2)1)の茶葉を取り出して冷まします。
3)ボウルの中にホットケーキミックス、2)の冷ましたミルクティー、溶いた卵を加えてよく混ぜ合わせます。
4)3)を炊飯器の中に入れてごはんを炊くのと同じ方法でスイッチを入れます。
5)出来上がりの音が鳴ったらしばらく蓋を締めたまま保温して中までしっかりと火を通します。真ん中に竹串を刺して生地がついてこなかったら出来上がりです。
バナナ入りの紅茶パンのレシピ
では次に少しレベルアップさせて、バナナ入りの紅茶パンの作り方をご紹介します。こちらは茶葉をそのまま生地に入れ込むのでより紅茶の香りが楽しめて、さらにバナナの豊かな風味も楽しい一品です。また、強力粉を使用してしっかり発酵させる工程もあるので、本格的な紅茶パンをつくることができます。
材料(一升炊きのお釜さん一つ分)
・強力粉 220g
・ホットケーキミックス 100g
・完熟バナナ 1本
・紅茶の茶葉(細かく砕いたもの) 5g
・ドライイースト 3g
・砂糖 1g
・バター 15g
・40度位のお湯 80cc
作り方
1)バナナを1cmの長さに切り、ボウルにバナナとバターと合わせて600Wのレンジで約30秒温めます。
2)1)の中にドライイースト、砂糖、塩、強力粉を加えて軽く混ぜ合わせます。
3)さらに2)の中にホットケーキミックス、紅茶の茶葉、お湯を加えて混ぜ合わせます。
4)生地を一つにまとめて炊飯器の中に入れて、8分間保温のスイッチを入れて放置し、電源を切って約30分発行させます。
5)炊飯器から生地を取り出し、生地を外から内側に向けておりたたむようにしてガス抜きを何度か行い、ひとまとめにします。
6)生地を六等分にスケッパーなどを使って分けてボウルの中に入れ、霧吹きをしてラップをし10分間寝かせます。
7)6)の生地を炊飯器の中に入れて保温のスイッチを入れて8分置きます。
8)7)が終わったら炊飯器のスイッチを入れて出来上がったら裏返して逆側も同じ様にスイッチを入れて焼いたら完成です。
炊飯器を使ってお手軽に紅茶パンを楽しもう
いかがでしたか?炊飯器をうまく使用することで、難易度の高いパン作りもあっという間に簡単に完成させることができます。まずはシンプルな基本の紅茶パンから挑戦していただき、慣れたらバナナ入りも作ってみられてはいかがでしょうか。

