紅茶の製造過程を分かりやすく解説します。
紅茶の葉
紅茶の茶葉は木に生えたものを採取します。
苗木を定植して3~4年経った木からのみ茶葉を収穫でき、
その苗木の新芽と2枚の若葉(1芯2葉)をたんねんに手摘みします。
機械工程化できないのは苗木にしっかり生えていることや、葉が柔らかいということ。
丁寧な作業が必要です。
いちょう(萎凋)
茶葉を採取した後はいちょうという作業工程に入ります。
摘み取った茶葉は、網や麻布でできた萎凋棚に薄く広げ、15~20時間陰干しにされます。(工場では、萎凋槽を使い大量の温風を送って8~10時間この作業を行ないます。)この過程で茶葉の水分を30~40%蒸発させるということが目的です。
この作業はウーロン茶など他の茶にもある作業ですので抜かすことの出来ない重要作業となってきます。
揉捻
いちょうによって水分の蒸発を行った茶葉の組織細胞をくだいて酸化発酵をうながし、葉の形を整えるために、揉捻機にかけて揉みます。
発酵
20~25℃で、湿度90%に近い発酵室に2~4時間寝かせます。酸化酵素の働きで葉は緑色から鮮やかな赤褐色となり、“紅茶”としての芳香を放ちます。
乾燥
発酵が終わると、紅茶は乾燥機にかけられ、100℃前後の熱風で水分3~4%になるまで乾燥させられます。この段階で酵素の働きは止まり、荒茶ができます。
種類わけ
荒茶をふるいにかけることで形やサイズをそろえたり、茎など余分な部分は排除できるようになっています。この種類わけによって茶葉の大きさ小ささによって値段の決定を決められ、出荷にいたります。
配合
茶は、同じ産地の同じ茶園のものでも、収穫期によって香り、色、味が異なります。また、需給関係や葉のサイズで価格も変わります。ここで常に安定した品質と価格で製品を供給するために行なわれるのがブレンドです。茶葉のブレンドの専門家をティーテイスターといいますが、20年以上の修行を積んだ、いわば茶のアーティストです。ティースターの活躍によって茶葉はほぼ一定金額での販売が可能となります。
ウーロン茶や緑茶と紅茶の違いって何?
もともとすべて「茶」のカテゴリーに含まれ、中国での栽培が行われていたこれら3種。
大きな違いとしては作業工程が関係しています。
ウーロン茶には煎ったりする火を通す工程が紅茶よりかなり多く、そのためウーロン茶独特の香りがかなり強く出てきます。
一方緑茶は蒸したあとの冷却など温度変化の激しい工程を行うことでより一層深みのある味わいに仕立てています。

