1904年、アメリカのセントルイスで開催された万博の時に、イギリス人のリチャード・プレチンデンがあまりの暑さに紅茶に氷を入れたのがアイスティーの始まりといわれています。
アイスティーを飲むのは、アメリカ人と日本人ぐらいといわれています。ヨーロッパはもちろんのこと暑さの厳しい中近東やインドでも、アイスティーはほとんど飲む習慣はありません。紅茶は冷やすと香りが失われ、濁ってしまうという性質があります。この性質のため香りよく、クリスタルのように澄んだアイスティーを入れるのは難しいといわれています。
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アイスティーが濁る理由
アイスティーをつくると、どうしても白く濁ったようになってしまいます。アイスティーをつくるときの最大の難点とされるのがこの「クリームダウン」や「ミルクダウン」と呼ばれる現象です。これは紅茶の成分であるタンニンとカフェインが冷やされることによって、白く結合して浮き出てしまうからです。そのため、タンニンが多く含まれる良質の茶葉ほどクリームダウンが起こりやすくなります。
アイスティーが濁る現象「クリームダウン」を防ぐ方法とは
クリームダウンが起きても特に味に変化はありませんが、アイスティーならではの涼やかな清涼感に欠けてしまいます。クリームダウンが起きたら、熱湯を数滴グラスに入れれば一時的に解消されて澄んできます。また使う水も硬水のようにカルシウムやナトリウム、カリウム、マグネシウムなどの金属イオンが含まれていると、クリームダウンが進んでしまいます。日本の水道水は軟水ですから心配ありませんが、ペットボトルの水を使う時には注意しましょう。
急冷でアイスティーの香りが逃げるのを防ぐ
ポットのほかにもうひとつの別のポットを使います。これはホットティーを作ったポットから移すことで紅茶の温度を下げ、さらに氷を入れたグラスに一気に注ぎ、急激に紅茶の温度を下げるようにするためです。ホットティーを作ったポットからじかにグラスに注いでしまっては、温度も高く、急冷できません。また氷をグラス一杯に入れるのも急冷のためです。香りの成分は温度が高いほど多く発散し、冷えると発散しにくくなりますが、急冷することによって、香りが逃げてしまうのをかなり防ぐことができます。
アイスティーにあう茶葉とは
アイスティーには、コクがあって水色が強く、香りが強い、タンニンが少ない茶葉が適当です。いってみれば上級品よりも中級品、並級品のほうがアイスティーには向いています。タンニンの少ないセイロン茶、中国茶、ケニアのCTC茶などが適当です。喫茶店ではよくアールグレイが使用されています。独特の強い香りは冷やしても十分残ります。アッサムは、タンニンが多く、ミルクダウンが激しいので避けたほうがいいでしょう。