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シッキムの歴史
元はシッキム王国という独立した国でしたが、1975年にインドに帰属したことにより、現在はインドの22番目の州・インド領シッキム州となりました。ダージリン地方の北側にあります。周辺にはネパール、ブータン、中国などの国があり、シッキムは多くの国に囲まれている地域でもあります。インド領ですが国民はネパール人で、製茶工場もネパールにあります。そのため、シッキム紅茶はインド産ではなく、ネパール産と表記されることもあります。
シッキムの茶樹はダージリンから譲り受けたものであり、味や香りはダージリンと似たものが生産されています。シッキムとダージリンの両方とも高地で生産されるハイグロウンティーで、産地の気候も似ています。
シッキムには茶園が1つしかなく、州政府が管理しているテミ茶園がシッキム州唯一の茶園です。シッキム紅茶と言えばテミ茶園のことを指していることになります。茶園が1つしかないことから生産量も必然的に少なくなります。そのことから希少価値が高く、値段も高いものになっています。
安価だった頃はダージリンと称して流通していたこともありました。しかし、十数年前から非常に品質の高い茶葉が産出されるようになったため、シッキムは高級紅茶産地の仲間入りを果たしたのです。高品質な茶葉は世界中から高い評価を得ています。
シッキムのクオリティーシーズン
クオリティーシーズンはダージリンと同じく、3回あります。3月~4月のファーストフラッシュ、5月~6月のセカンドフラッシュ、10月~11月のオータムナルです。生産時期は3月~11月で、他の時期は生産・収穫が行われません。
春摘みのファーストフラッシュは爽やかな花の香りと、まろやかな風味が特徴です。水色は透明感のある薄い黄色になります。
夏摘みのセカンドフラッシュは高貴な花の香りと、強さとコクのある味が特徴です。特に良質なものは、ダージリンのようなマスカテルフレーバーの香りを持つものもあり、高値がつけられます。水色は透明感のある澄んだオレンジ色です。
秋摘みのオータムナルは、他の時期と比べると更に香り高い花の香りが感じられます。水色はセカンドフラッシュと同じく、透明感のある澄んだオレンジ色です。
いずれの収穫時期も良質なフラワリーフレーバーと、まろやかでコクのある優しい風味が特徴として挙げられます。茶葉はフルリーフタイプで生産されることが多いです。
シッキムの特徴
シッキム茶葉の特徴も味わいも、ダージリンと似ています。シッキムはダージリンよりも甘く漂うフラワリーフレーバーと濃厚なコクが印象的で、味わいはデリケートで渋みは比較的少ない方です。飲んだ後は余韻として爽やかな後味が残り、「紅茶を飲んだ」という感じがあるので飲みごたえがあります。
シッキムの入れ方
入れ方としてはホットのストレートティーが最も適しています。その他、レモンティーやアイスティーでも美味しく頂くことができます。性別や年齢を問わずに誰でも美味しく飲める紅茶ですが、味や香りの特徴から特に女性からの人気が高いです。
シッキムの優しい甘さは和菓子と相性が良いです。一緒に頂くとティータイムがより一層楽しくなるでしょう。